「ワンちゃんの健康と長寿の秘けつ」について 前編
キャンディ動物病院 石川記代院長
石川今回はワンちゃんの健康と長寿の秘けつについてお話しします。 ポイントは3つ、「医」「食」「住」です。 とてもシンプルですね。 日本人の平均寿命は世界一ですが、その理由のひとつに「医食住」の質が高いからとされています。 ワンちゃんも同じです。 質の良い「医食住」の環境を整えてあげれば健康で長生きします。
―― 長寿のために最も大切な健康管理について、教えて下さい。
石川まず「医」についてですが、ご長寿ペットの8割以上のオーナーは混合ワクチン接種、フィラリア予防、ノミダニ予防、各種健康診断などを定期的に行っています。
かかりつけの先生をもつこと、定期的な予防の実施が健康と長生きに大きな影響があることが調査で分かっています(アニコム損害保険(東京都新宿区)調べ)。
「医」はなにも動物病院で行うものだけではありません。
ご自宅で毎日コミュニケーションをとる中で、ペットをよく観察することも「医」のひとつです。
目やに、口臭、耳の中、食餌を食べる速度、行動など、いつもと違うことを感じたら、様子を見るのではなく、すぐに動物病院で診察を受けることをおすすめします。
―― 日々の生活の中での注意点を教えて下さい。
石川「住」のポイントは、清潔で滑らない居住空間と快適な温度・湿度です。
床がフローリングの場合、滑るためペットの足や腰に負担がかかり痛めやすくなります。
老犬になればなおさらです。
ペットの行動範囲の場所にはカーペットかコルクを敷いてあげるとよいでしょう。
最近ではペットがすべらないワックスなども市販されています。
足裏の毛はバリカンで処理し、爪は短めに切りましょう。
ペットの体や居住空間が不潔だと皮膚や目の感染症になりやすくなります。
定期的にシャンプーやトリミングを行い、ベッドや毛布はこまめに洗濯し清潔に保つとよいでしょう。
とくにシャンプーは血行もよくなるためおすすめです。
室温についてですが、今の時期は風邪のワンちゃんがとても多いです。
体温が低いと免疫力が低下するといわれています。
免疫力の低下はがんや感染症にかかりやすい状態を招きます。
エアコンをつけていても足元が冷えている場合があります。
ペットは私たちの足元の位置で生活していますので、ペットの位置の温度が22度-23度、湿度は40%程度に保ってあげるとよいでしょう。
外出の際は毛布でくるんであげたり、お洋服やコートを着させてあげる気遣いも大切です。
次回は、ワンちゃんの食生活について、お話しします。