「わんちゃんの不妊手術について」後編
キャンディ動物病院 石川記代院長
石川今回は女の子の避妊手術についてです。
一般的には妊娠できなくするための手術として知られています。
その一方で、避妊手術をすることで予防できる病気があります。
子宮に膿がたまる「子宮蓄膿症」や「乳がん」です。
これらの病気は、7歳以上の避妊手術
をしていない雌犬のじつに7割以上にみられ、命をおとしてしまうケースもあります。
どの年齢層においても
100%安全と言い切れる麻酔はありませんが、高齢になるにつれ麻酔のリスクが高くなるのは明らかです。
それが、病気の手術となればなおさらです。
当院では高齢で病気になってから手術をするよりも、若く健康なうちに避妊手術を済ませておくことをお勧めしております。
犬種やわんちゃんの体格により異なりますが、生後半年から手術可能です。
―― 手術方法について教えて下さい。
石川避妊手術とは、卵巣と子宮を摘出する手術です。
男の子の去勢手術と比べ体への負担も大きく、手術時間も長いため獣医側としても大変、気を使います。
対象動物の体重が小さくなればなおさらです。
当院では、安全で小型犬にもやさしい医療体制を整えるために、最先端機種の新生児用麻酔機器、電気メス、生体モニター、超音波メスを導入しております。
新生児用全身麻酔器は、小型犬の小さな肺に合わせてやさしく、麻酔をかけることが可能です。
最先端の電気メスや超音波メスを使用することにより体内に糸が残らない、痛みや出血、腫れが格段に少ない手術が可能です。
手術時間も大幅に短縮されます。
―― 病気予防のための不妊手術という意識付けが必要ですね。
石川避妊手術を怠ることで、女の子の場合は、気付いた時には手遅れというケースがほとんどです。 避妊手術費より高額な治療費も必要になります。 避妊手術費が高い、手術はかわいそうだと思うのではなく、オーナーの皆様には正しい情報を身に付け、快適なペットとの生活を送っていただけたらと思います。